一人でできる!人前で堂々と話せる人になる練習方法

鏡の前で自分を見る女性 心理学

 あなたは話す事に自信がありますか?それとも不安がありますか?

 まず最初に知っておいてほしいのは、人前で話す仕事をしていない限り誰しも緊張します

 でも、人前で自信満々話す人もいますよね。彼らは緊張していないのでは?そう思うかもしれません。残念ながらそれは間違いです。彼らは堂々とした話し方の方が印象が良い事を知っているので、緊張していながらも堂々と振る舞うのがうまいだけです。

 そして、彼らのように話せる人になる事は練習によって可能です!

 ではどうすれば彼らのような自信のある印象を与えられるのでしょうか?その練習方法について科学的根拠から解説していきます。

堂々とした人になるには音読ではダメ、ジェスチャーだ!

ただ読む練習だけじゃあまりうまくならないのか!

 実は今までに「結局スピーチとかが上手いかどうかって場馴れしてるかどうかじゃない?」という研究結果はあるのですが、かといって何度も人を集めてやるのは大変ですし、その状況を整えるのも難しいのが現実でしょう。

 できれば一人でできる練習で、効果的なものはなかろうか?あなたもそう思うはずです。

黙読や音読はあまり効果なし、鏡の前で練習しろ!という研究

 というわけで今回参考にする2006年のSmith, Tony E らの研究では、色々な練習方法(少人数の前でスピーチ練習、大人数の前でスピーチ練習、黙読、音読、鏡の前で音読、録音録画)の中で効果的なものは何かを調べたものになります。1)その結果は下記の通り。

  • 鏡の前での音読」が特にスピーチパフォーマンス向上に効果あり!
  • 人の前でスピーチ練習した人はやはり高評価、大人数だとさらに良い!
  • ただし、人前での練習は多ければ多い方がいいというわけではなかった

 一人でできる練習方法として、鏡の前で練習することでスピーチパフォーマンスに良い結果が出ました。これは、リラックスした状況で非言語的な表情・姿勢・アイコンタクトなどを確認できるからではないかと述べられています。

 スピーチの上手い下手というのは噛まずに喋れるかではなく姿勢や聴衆を見渡すアイコンタクト、それから落ち着きなくしていない態度なども重要視されるということですね。そういったスピーチスキルを向上させるためにはただ黙読や音読をやるだけでは不足があると。以前コミュ障克服のためのおすすめ本を紹介しましたが、この言い回しなどは鏡の前で練習すると効果的だということですね。

人前で話す事ももちろん効果があるが、上げ幅に限界あり

 次に、やはり人前でスピーチの練習することはスピーチの全体的なパフォーマンス向上に効果があるようです。この結果はこれまでの研究と同様ですが、場馴れすることで全体的なパフォーマンスは上がるんだけれど、いくらか練習するとその上げ幅はゆるやかになってしまうようです。

 恐らくスピーチそのものがうまくなるというよりは持っている力を落ちついて発揮できるようになったという側面が強いのでしょう。しかし振る舞いがうまくいっているのかどうかの答え合わせは鏡を見ないとできませんから、人前で話せば話すほどうまくなるわけではないという結論には納得感があります。

鏡の前でうまく振る舞えているか確認すれば堂々とした人に見られる

 つまり、スピーチ中に良い姿勢で聴衆を見渡したり、ジェスチャーを使ったり、そわそわしたりしないといったふるまい・技術練習を鏡を使って行う!ということです。

 人の心なんてそうそう読めるもんじゃありませんから、人は見た目で自信や能力を判断します。緊張しようがしてなかろうが関係ありません。すっげえ緊張していたとしても、手を触ったりそわそわしたりするのをガマンする練習をして、ゆったりとアイコンタクトをしながら話し始めれば

「おっ、この人はすごく堂々としているな。自信があるんだな」

 と思われます。堂々と話せる人と話せない人との違いはこの振る舞いの違いにすぎません。その証拠として、黙読や音読だけでは聴衆の評価はいまひとつという研究結果を紹介しました。さあ、鏡を使って練習しましょう。この時に様々な角度から見られているという事を意識し確認していく事が望ましく、三面鏡があると効果的でしょう。

 それに加えて、できれば人前で喋り切る練習をして慣れる(回数はほどほどで良い)、というのが効果的な練習となりそうです。

原理上は動画撮影や録音を使った練習方法も効果的

私もやったことがあるけど、動画撮影は悪くないと思うよ

 今回の研究では練習に採用する人がほとんどいなかったため効果は不明確なのですが、安心できる環境で自分の喋り方や動作、姿勢などを確認するというのが効果的なのだとすれば、同様に動画撮影・録音をして確認することも役立つんじゃない?というような事もこの研究では触れられています。

上手く話せているか確認するには音読ではなく録音

 ジェスチャーだけではなく、声や話すスピードなどを確認するには録音も有効かもしれません。特に録音は声を見る「鏡」として使用できそうな気はします。評価される人の声には特徴がありますし、スピーチが上手い人には7つの特徴的な話し方があります。実際にそのポイントをうまく話せているか録音や動画撮影で確認しつつ鏡の前で練習しましょう。

 この結果全体からわかることとしては、スキルを向上させたいなら、自分が何をしているのかをちゃんと確認しなければならないということですね。ひたすら黙読や音読も悪くはないのですが、どう見えているか、どう喋っているのかという事をチェックした方が上達が早いのは自明です。

みんながやらないからこそ、振る舞いは上達すると差がつく

 スピーチに慣れていないとどうしても「噛まないように‥何喋るか飛ばないように‥」という事ばかりに気を取られますが、非言語的な振る舞いがスピーチのパフォーマンスにかなり影響するようですから、私達はこの点をガッツリ練習しておくとスピーチパフォーマンスに好影響がありそうです。人を巻き込むのが上手い人などは、自然とこれをやってのけます。

 面接での第一印象を良くするポイントなども鏡を見ながら練習すれば効果的に対策ができるというわけです。スポーツでもそうですが、確認すると思った以上に自分のイメージとやっている事は違ったりしますからね。

噛まない事もそうだけれど、姿勢や動きがかなり大事!

引用・参考文献
1)Smith, Tony E., and Ann Bainbridge Frymier. “Get ‘real’: Does practicing speeches before an audience improve performance?.” Communication Quarterly 54.1 (2006): 111-125.

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