
もう無理だ…

どうしたのさ…
最近マッチングアプリをはじめて時はイキイキしてたじゃない

メッセージは途中で終わっちゃうし、デートは二回目に繋がらないし、マッチもなかなかしなくなってきたし…
もう自信なくなりました…

なるほどね。うまくいかなくて心が折れそうになるのもわかるよ。
でも、それあなたのせいだけじゃないかもね。
というより完全に悪いループにハマってるわ

悪いループ??
どういうことですか?

よし、今回はマッチングアプリで自信が無くなった時に考えるべきことと、
負のループにハマらないようにするための方法を心理学とエビデンスから解説していくよ!

おねがいします!
マッチングアプリは確率戦、運が悪いだけで連敗するもの

そもそも、マッチングアプリは空振り率の方が高い。
それは出会いのコストが安いからだな

確かに時間もかかりませんし、同時進行もできますしね

じゃあ今やりとりをしている相手と付き合える確率はどれくらいなのかという話になるが、残念ながら信憑性のあるデータはなかった。
ただし、8割とか9割といった確率ではないことだけは確かだろう。
私の肌感覚で話すが、いいところまでいけるのはせいぜい野球の打率くらいかなと感じている

ヒットになるのは2〜3割くらいですかね?
7割は残念な結果に終わると…

そうだ。
仮に3割成功する成功率高めのスペックの人を集めても、10人いれば1人くらいは運が悪いだけで6連敗する計算だな

イチローさんでも大谷さんでもノーヒットの日がありますもんね。
運が悪いだけでも、うまくいかないことが続くことは普通にある。
まずこのゲームの仕組みを理解することが大事なんですね!
まとめ
マッチングアプリは確率戦なので、運が悪いという理由だけで連敗する人がいる
自信をなくすと本当に勝率が下がる

さらに悪いことに、自信を無くすと成功率が低下する。
これは精神論ではない。
自己肯定感が低いと自分の欠点が気にかかり、相手の愛情を疑い、拒絶を恐れ、関係不安が増幅する。
恋人を見つけるためのステータスが爆下がりしている状態だな
1998年Murrayらの研究によると
- 自己肯定感が低い人は、自分の価値を疑い、他人も愛さないだろうと考えてしまう。この不安がパートナーの愛情を疑い、些細な行動でも批判や拒絶を感じやすくなる
- 失敗などは自己肯定感の低い人の関係への不安を悪化させる1)

恋愛に対しておっかなびっくりで、相手が拒絶しているように感じるし、好意も正直に受け止めにくくなるってことですか?

そうだ。だからチャンスがあってもモノにできなくなるし、やりとりをしていても途中で拒否されたと思いこんで勝手に諦める。
消極的になるからデートまでこぎつけても踏み込んだ話もできないし、「どうせ私のことなんて興味ないんでしょう」という態度になるので本当に好かれにくくなる。
そして恋愛への主体性が無くなってしまうんだ

それじゃあうまくいくはずないじゃないですか!

そうだね。だから思い当たる節がある人は対策をした方がいい。
さっきも言ったように、マッチングアプリは確率戦だ。
たくさんのプレイヤーがいると、魅力関係なしに運が悪いだけで連敗するヤツが出てくる。
ただの確率論的な問題にすぎないんだが、ここで「自分なんて愛されないんだ…」と勘違いしまうと自己肯定感が下がり、本当に恋愛成功率が低下する

なんと恐ろしい負のループだ…

一種の自己成就予言※だな。
だから大事なのはマッチングアプリがどういうゲームか理解すること、そして自己肯定感を戻すことだ。
さらに恋愛心理学の知識をつけることで成功確率を高め、負のループに入る可能性そのものを下げることが大切だ。これについては後ほど解説するぞ
※自己成就予言:根拠がない思い込みによって、想像が実現してしまうこと。
今回の例なら、「自分なんて誰も好きにならないない」と思い込んだせいで好かれにくい行動を取ってしまい、実際に好かれにくくなってしまう。
自己肯定感を戻しておかないと付き合っても続かない

自己肯定感が低いままマッチングアプリを続ける弊害は他にもある。
そもそも、自己肯定感が低いと付き合っても別れやすいんだ

こんなつらい思いして、せっかく付き合えたのに血も涙もないじゃないですか!

気持ちはわかるが、恋愛関係の満足感や維持に自尊心の影響があることがわかっている。
2017年Erolらの研究によると、自己肯定感が低いとパートナーに過度な要求をしたり不信感を持ちやすく、恋愛関係に悪影響だということがわかっている。逆に、自己肯定感が高いと恋愛関係の幸福感にプラスの影響を与えることが示唆されているんだ2)

それならどのみち自己肯定感はマシマシにしとけってことですね!
自分最高!完璧!誰よりも私はモテる!

それは自己肯定感じゃない

は?

それは自己肯定感じゃないぞ。
自己肯定感っていうのは「良い点も悪い点もあるが、自分はOKだ」という感覚であって、自分はパーフェクトで非の打ち所がないという非現実的な認識のことではない

え?でも自分の悪いことを見たら落ち込みますよね?
今回だってマッチングアプリでうまくいかないから自信がなくなったって話ですよ

そりゃ人間だから失敗したら落ち込む事もあるだろう。
「だから何?自分も人間なんだからそういうこともあるさ、以上。さてまずは何からやるといいかな?」
これが自己肯定感の高い人の思考パターンだ。
次はこのような思考パターンになる方法について解説していくぞ

最強キャラじゃないですか…
まとめ
自己肯定感が高い人は自分の良い点も悪い点もOK!
自己肯定感を戻すTips

じゃあ、自己肯定感を取り戻す科学的な方法を教えてください!
「私はできる!」って唱えまくってもダメなんですよね?

0点だ。
そもそも「私はできないかも…」と思っているから自己肯定感が下がっているんだよね?
無理矢理思い込もうとしてもつらくなるだけだ、やめておけ

つらくならない教えてください。あくしろよ
対策1:セルフコンパッションを使う

さっきも言ったように自己肯定感が高いと失敗したことや、ダメな自分も受け入れられる。
「今はうまくいってないけど、まあようやっとるわ」とやさしく自分に声をかけてあげることが重要だ。
これを心理学ではセルフコンパッションという

コンパッションは日本語で思いやりですね

そう。自尊心のためにはむしろ自分への思いやり(セルフコンパッション)を持った方がうまくいくんじゃね?みんな自分に厳しすぎじゃね?ということが研究で言われているんだ
2023年P Murisらのメタ分析(たくさんの研究をふるいにかけて統合したもの)では、
- 自尊心とセルフコンパッションには大きな相関があった!
- 自尊心を高めるには、肯定的な経験(自伝的記憶)を思い出すことや自分の感情や内面を表現する創作活動などが効果があったが、効果量は小~中程度だった。
- 自尊心を高めるにはCBT(認知行動療法)が非常に効果的だと示されている3)

まず、この中でお手軽なのは自分の成功体験を思い出すことだ。
たとえば「昔は異性とも仲良しグループで話せてたなぁ」とか、「今はうまくいっていないけど、頭の良さがあるから成績は良かったよなぁ」くらいのことで構わない

私は友達に「一緒にいると嫌なことが忘れられるくらい楽しい」って言われたことがあります!
そう考えれば、私はコミュ力があるし、みんなを勇気づける力もあるんですよね!

そうだ、そうやってネガティブな視野狭窄を解除することが第一だ。
「あんたよくやってるよ!頑張りすぎたくらいだ、すこし楽に行こうぜ」「こういういいところもたくさんあるじゃない」と他人を励ますような感じで声をかけてみるといい。
というのも、自信を失っている今は自分の悪いところばかり見ている状態だ。
「自分なんて何一つダメで愛されない…」と思っていても、冷静になってみれば良い所は必ずある。しかもたくさんある。
だが落ち込んでいる時は真剣に何一つダメだと思ってしまう。まずこれを解除するんだ
まとめ
セルフコンパッションを起動させるために、まずいいことも思い出してみる
対策2:CBTを使ってガッツリ対策!ネガティブな視野狭窄を解除せよ!

自己肯定感が低下している人は、「自分が失敗してしまった」「自分はダメだ」というネガティブしか見えていないんですね!
…ん?この話どこかで聞いたことがあるような…

私の記事の常連さんは気づいただろうが、CBT(認知行動療法)で言うところの「全か無か思考」「一般化のしすぎ」にあたる。
これは認知の歪みと呼ばれるもので、色眼鏡をかけているせいで現実をゆがんで認識し、苦しんでしまうことになる

じゃあ、このCBTのテクニックを使って自己肯定感を取り戻すことができそうですね!

研究でもCBTは自尊心を高めるのに非常に効果的と述べられている。
CBTを学ぶなら認知行動療法実践ガイド:基礎から応用までは非常に良書なんだが、かなりガッツリした内容だ。
慣れている人ならいいが、最初の一冊なら認知行動療法で自己肯定感を育てる 自分をもっと好きになるノートあたりから入ると読みやすくておすすめだな

CBTを行うと自分のことも冷静にジャッジできる。
マッチングアプリで確率的に失敗が続くこともある。→だから自分はだめなんだ、というこの思考は何の役に立たない。

仮に今モテなかったとして、だからどうした!
自分の魅力を上げ幅いっぱいまで高めてから文句を言え!
自己肯定感上げろ!
そして数を打て!
泣き言はそれからだ!
自分はダメなんだとか生意気言うな!

すっげえ昭和っぽいけど、言っていることはわかります!
上等だ、自己肯定感はもう十分だ!
モテる方法を早く教えろ!
自己肯定感を取り戻してから、恋愛心理学で魅力を限界突破

魅力を高めるには恋愛心理学や魅力と影響力の心理学のカテゴリで散々解説しているから見てほしいんだが、特に自信を失っている人に読んでもらいたい記事を下記にピックアップしておいた。
読み手は以下の人を想定している
・マッチングアプリでメッセージが途中で終わってしまい、出会うところまで行けない
・会うところまで行けても、1回目のデートで終わってしまう
このへんに思い当たる人は一度見ておいてほしい。
あぁ、もちろん自己肯定感を戻してからな。

マッチングアプリに限らず、自分の魅力をもっと高める方法はないの?

それなら以下の過去記事を参照してくれ。
当たり前のことだが、外見も内面も重要だ。
どちらも知識をつけて芯を食った対策をしていこうな

よーし、やるべきことが見えてきました!
私はCBTをやってから、魅力と影響力の心理学にある記事を読んで恋愛偏差値を上げます!
そして実践を通して上達していけばいいんですね!

その通り!なにごとも知るだけではダメなんだ。
私にできるのは知識を伝えるところまで。ここから先は行動に移せるかだよ。
でも、私も画面の向こうから応援しているよ!がんばって!
引用・参考文献
1)Murray, Sandra L., et al. “Through the looking glass darkly? When self-doubts turn into relationship insecurities.” Journal of personality and social psychology 75.6 (1998): 1459.
2)Erol, Ruth Yasemin, and Ulrich Orth. “Self-esteem and the quality of romantic relationships.” European Psychologist (2017).
3)Muris, Peter, and Henry Otgaar. “Self-esteem and self-compassion: A narrative review and meta-analysis on their links to psychological problems and well-being.” Psychology research and behavior management (2023): 2961-2975.