この記事のまとめ
・頭のいい人同士が惹かれ合うというより、類似点があると恋愛のきっかけになりやすい。
・恋愛では頭のいい人がモテるが、それは感情知性が高くてコミュ力・恋愛力が高いため。
・頭がいい人には類似性やコールドリーディングといった方法で、よき理解者としてアピールすることが大切。
頭のいい人って魅力的ですよね。ですが、頭のいい人を好きになると不安になることがあります。「やっぱり頭のいい人が好きなんだろうか…わたしじゃ釣り合わないのかな…」そんなふうに感じるかもしれません。
ですが、「恋愛での頭の良さ」はあなたのイメージとはちょっと違うかもしれません。今回も心理学とエビデンスから、頭のいい人と恋愛関係について解説していきましょう。
頭が良い人同士が好きになるというより、共通点があるだけ
まず、頭の良さと恋愛関係には少しだけ関係があります。2019年Gignacらの研究では恋愛パートナー同士のIQは相関係数0.3~0.4(少し関係がある)くらいと報告されています。ただし、IQが近くても恋愛関係の満足度には関係がなかったのです。1)
わたしはこの数値を見て、「頭の良さって思ったより恋愛に関係ないんだな」という印象を持ちました。しかも、恋愛の満足度に知性は関係ないというのも面白いところで、知性はきっかけに過ぎないのかな?と考えてしまいます。
ここからはわたしの考察になりますが、IQそのものというよりは恋愛のきっかけとして知性が似ていた程度でしかないのかなと思います。つまり、別に知性ではなくとも他の共通点でも良いのではないかということです。
となれば、大事なのは共通点があることであって、「頭のいい人だから頭いい人を好きになる」というのはかなり雑な考えだと言えるかもしれません。
この類似・共通点の効果についてはロバートDチャルディーニ博士の影響力の武器や、職場で合わない人に関する過去記事でも触れられていますので、恋愛で類似を活かしたい方はそちらも参照してみてください。
なぜ頭がいい人は魅力的なのか?
頭のいい人はとても魅力的に感じますが、今度はなぜ知的な人はモテるのか・他者を惹きつけるのかをひも解いていきましょう。頭がいい人の恋愛傾向を知るヒントになります。
知性(能力)があって稼げる人はそもそもモテる
頭のいい人は魅力的に感じられやすい理由は、シンプルに能力が高いからです。この現代ではとくに知性が高い人は稼ぐ力もあり、問題解決能力も高いためトラブルにも強い。結果として高知性は現代で必要とされる能力が高くなりやすいため、魅力的に感じやすいと言えるでしょう。
とくに顕著なのが男性の知性です。Walterらの45の国を調べた2020年の研究でも、女性は経済的に余裕のある年上の男性を選ぶ傾向にあったと報告されています。2)頭の良さを仕事で如何なく発揮している人は能力が高く、魅力的に感じられやすい・パートナーとして惹かれやすいのです。
頭がいい事そのものに魅力を感じているわけではない!?
ここで面白いのが、頭が良い事そのものでモテているわけではなさそう、ということです。頭が良ければモテるのなら、バッキバキに頭のいい人ならすごい魅力を感じるだろう!と当然思いますよね。
しかし2018年Gignacらの研究によると、IQ120くらいの人たちが長期的パートナーとして最も魅力的に感じられ、IQ135などさらに知能が高い人は魅力的とは感じられなかったと報告されています。知能が高いことに魅力を感じるサピオセクシャルという概念があるのですが、客観的な知能とは関係があまりないようなのです。3)実際に頭が良い=魅力的とまでは言えなさそうなのです。
IQの高さはモテや魅力と必ずしも関係しない。…では、恋愛で惹かれる「頭がいい人」の特徴とは何なのでしょう?
恋愛で言う頭の良い人には「感情知性が高い」という特徴がある
恋愛で重要視される「頭の良さ」とは感情知性です。感情知性とは自分の感情を言語化して理解したり、うまく利用するための知性のことです。
感情知性が高いと恋愛上手でコミュ力が抜群に高い
たとえば、怒ってケンカをしたときに感情知性が低いと、「あなたはいつもそうだ」といったように、相手そのものを否定しにかかったり、「もういい!」とシャットアウトしたりします。何か不機嫌に思ったときでも、自分の気持ちをうまく言葉にしたり、感情にブレーキをかけたりすることが苦手です。その結果はどうなるでしょうか?…あまり良くなさそうですね。
感情知性が高い人でももちろん怒ったりします。ですが、感情知性が高いと一度ブレーキをかけて「最近返事を返してくれなくてイライラしているな、これは自分がさみしかったからだ。相手にも事情があるとは思うけど、自分がさみしいと感じていることを伝えてみよう」と自分の感情を理解して上手に問題解決へと運ぶことができます。
どちらが恋愛上手か、魅力的に感じるかは言うまでもありませよんね。
この感情知性に関する研究で、2014年Malouffらの論文では感情知性と恋愛関係満足度には正の相関があったと述べられています。さらに感情知性は良好な健康状態や仕事のパフォーマンスの高さ、対人的なプラスの結果とも関係があったのです。4)
つまり、感情知性が高いと仕事もデキるしコミュニケーションもうまくいくし、恋愛もうまくいきやすい。俗な言い方をすれば稼げる・モテるということです。知性と言うと感情を排除した合理性のようなイメージがありますが、それは間違いです。人間には誰しも感情があります。だからこそ感情を使いこなす知性こそが恋愛や仕事といった人間関係では重要なのです。ただ勉強ができるだけが頭の良さではないことを理解しておきましょう。
頭のいい人に好かれるようになるためには?
そんな魅力的な頭のいい人に求められるために、何をすればいいかを解説していきます。
感情知性を高めるトレーニングで恋愛力を高めよう
先ほども書いたように、感情知性を高めておくことは恋愛において大切です。
そこで、感情知性の科学のページや、感情論への対処法に関するページを押さえておくと良いでしょう。IQが高い人でも感情に振り回されると、容易におかしな言動をしてしまいます。「賢い思考」を起動させる方法についても書かれていますので、感情を振り回すのではなくうまく使いこなす方法を学んでおくことが重要です。
知性な「雰囲気」を理解して類似性をアピールしよう
また、相手と似ていることも大切です。相手は知的な雰囲気を持っているのですから、あなたも知的な雰囲気を身につけていれば相手は「似ているな」と親近感を持つため、関係が進展しやすくなるでしょう。知的な雰囲気を身につけるテクニックについては過去記事で解説していますのでそちらを参照してください。
相手のよき理解者になる会話・態度は「コールドリーディング」で学ぶ
頭がいい人と会話する時には、コールドリーディングのテクニックを学んでおくことが役に立ちます。これは占い師の良く使う心を読んだように見せかけるテクニックのことです。なぜコールドリーディングが役立つかというと、相手に理解された感覚を持ってもらえるからです。頭の良い人は話のテンポが速く、先回りされる経験があまりありません。言語能力も高いので、いつも配慮して事細かに説明することに慣れています。
そこで、コールドリーディングのテクニックを使って「きっとこう思ってるんじゃないかな?」と先回りして配慮ができると、「この人は自分のことをすごく理解してくれている!」と感動することがあるのです。
言わなくてもわかってもらえるというのは強力なコミュニケーションですので、あなたもぜひ過去記事のコールドリーディングのテクニックを学んでみてください。
ミラーリングはやめたほうがいい
心理学のテクニックで有名な手法にミラーリングがあります。これは相手の行動をマネすることで親近感を感じてもらうという手法です。有名なのですが、これはたいてい気味悪がられるため非常に使いにくいです。詳しい理由については過去のミラーリングのページを参照してもらいたいのですが、ほかの方法を選んだ方が無難です。
引用・参考文献
1)Gignac, Gilles E., and Marcin Zajenkowski. “People tend to overestimate their romantic partner’s intelligence even more than their own.” Intelligence 73 (2019): 41-51.
2)Walter, Kathryn V., et al. “Sex differences in mate preferences across 45 countries: A large-scale replication.” Psychological science 31.4 (2020): 408-423.
3)Gignac, Gilles E., Joey Darbyshire, and Michelle Ooi. “Some people are attracted sexually to intelligence: A psychometric evaluation of sapiosexuality.” Intelligence 66 (2018): 98-111.
4)Malouff, John M., Nicola S. Schutte, and Einar B. Thorsteinsson. “Trait emotional intelligence and romantic relationship satisfaction: A meta-analysis.” The American Journal of Family Therapy 42.1 (2014): 53-66.
5)ロバート・B・チャルディーニ、 社会行動研究会.影響力の武器.誠信書房(2023)

