この記事一行まとめ
・女性が赤い小物や服を身につけると魅力が上がるが、2018年の研究だと赤による魅力上昇はわずかしかない。しかし顔のメイクで赤色を使う方が魅力増加する可能性があり、ナチュラルメイクでチークを使いこなすと赤色で魅力を高めることができるでしょう。
赤が似合う女性って素敵ですよね。
ここはひとつ、ちょっと意外な心理学研究からエビデンスを元に魅力を高める赤の使い方について学びましょう。効果的な赤の使い方を理解すれば、より魅力的な女性になってステキな恋愛や楽しいデートができるはずです。
レッドロマンス仮説:赤を身につけるとモテる(※ほんの少しだけ)
赤がモテるという話は心理学が好きな人は聞いたことがあるかもしれませんが、これはレッドロマンス仮説と呼ばれており、結構研究がされています。「赤ってモテるんじゃね?アツいんじゃね?」という事に関してバッキバキに頭のいい人が大真面目に研究していると考えると‥なんというか胸が熱くなりますね。
ただし、赤がモテるという話がちょっと怪しくなってきてるというのが最近の研究でわかってきています。
研究では女性の方が魅力増加に効果がある
今回参考にするのは2018年Evolutionary Psychologyに掲載されたLehmannらの論文で、赤が魅力に及ぼす影響について調べてくれたものになります。1)
この論文は過去にあったレッドロマンス仮説に関する研究を集めて、「ホントに赤ってモテるの?インチキしてね?たまたまじゃねえの?」というものを調べてくれたものになります(メタアナリシスといって質の高い根拠になります)。詳細は以下の通りです。
- (背景や服などの)赤が魅力を高める影響は小さい。それでもどちらかといえば女性の魅力への影響が大きく、男性はかなり小さかった。
- 男性から見て、女性の顔の赤み関しては中程度の魅力増加があった!
- 思ったより赤が魅力に与える影響が小さくなってきているのはdecline effectのせいかもね?
ただし赤い服や小物を身につけても効果はわずか
この結果からすると、がっかりさせるようですが思った以上に赤が魅力に及ぼす影響はわずかです。昔はもっと赤色には魅力上昇に大きな効果がありそうという話だったのですが、過去の研究を分析すると、decline effectというものが起きていそうなのです。
聞きたくもない横文字が出てきたなと思ったでしょうからはしょって説明しますと、decline effectとはお笑い芸人や歌手の一発屋をイメージしてください。アレです。
レッドロマンス仮説も一発屋と同様で、何度も検証を重ねていくうちにポテンシャルが露呈し、「よく見たら大したことなくね?」と本来の実力に落ち着くのです。科学も芸人もラッキーパンチだけで生き抜くことはできない、これがdecline effectです。論文の著者の1人は「(レッドロマンス効果の)本当の効果はすごく小さいか、もしかしたら無いかもしれない」1)とまで言っているんですね。
ですから、巷で「赤はモテ色!激アツ!」みたいな事が言われていますが赤い服や小物が魅力に与える影響はわずかでそこまで期待はできません。元々赤色が好きならば問題ないのですが、「私はモテるために赤色を身につけ実践しているのである」というタイプの人は無理に赤を使わなくてもいいんじゃないかな‥と私は思います。
男性の目を引く効果はあるかもしれない
ただし、赤というのは目を引く色ですから「あの赤い服着てる子、かわいいな」と最初の印象に残るフックになる可能性はあります。トップスであればよりその効果が狙いやすいでしょうし、そのおかげで恋愛の経験則として「赤を着たらモテる」という風に言われているのかもしれません。さらに少しだけれど魅力を高めるかも!という事を期待して赤い服を着るのはアリです。
その第一印象を良くするために、姿勢の科学や科学的な雰囲気を身につける方法などで立ち振る舞いを練習しておけばスタートダッシュで差をつけられるはずです。心理学は重ね技であり、一つ一つを丁寧に組み合わせて魅力を高めていきましょう。
服や小物よりも、メイクに赤色を使う方がいいかも!
一方で、顔の赤み(facial redness)は中くらいの魅力増加が見られたとあります。小物や服の赤よりも、魅力増加としてはこちらの方が望みがありそうです。
赤みは若さのサイン
理屈としても顔の赤みというのは若さや健康のサインになりますから、化粧による顔の赤みが魅力増加に繋がると考えるのはストーリーとしては納得感があります。チークはまさにその血色がよく見えるという効果を狙ったメイクですし、メイクで使われ続けているというのはそれなりの理由がありそうです。
となると、赤い小物による魅力増加がイマイチだった事についても納得ができます。小物が赤い事に対して本能はどう思うでしょう?「おっ、そのスマホケース血色いいね!若くて健康そう!」とは思わないですよね。完全にヤバいやつです。もしかすると、服の赤色が顔に影響して血色が少しよく見えた、くらいは考えられるかもしれません。
おすすめのチークはこれ
このデータから考察すると、メイクで重要なものの一つはチークでの顔の赤みという事になります。たとえば、ナチュラルメイクで、より血色のよく見えるチークを選択することは好感度が高まりそう、という話になります。
どれか一つチークを選べと言われれば、私はインテグレート(INTEGRATE) メルティーモードチークをおすすめします。血色感は申し分ないですし、クリームタイプのチークで使いやすく、安価。さらに自然な感じにしやすいという点からのチョイスです。最後のポイントは特に重要です。
なぜなら、メイクというのは不自然にならないというのが重要ポイント。「頬を赤くしましょう!」「色白がいいわ!」とばかりに塗り絵みたいにしてしまう人がいますが、他人が見ると違和感をおぼえるものです。メイクは匙加減を間違うと不気味の谷(人間っぽいロボットに不気味さを感じる現象)のようになってしまい、こうなると魅力どころではありません。
メイクがあまりにも濃く不自然だと本能が違和感をおぼえ、「何かおかしい」という感覚になってしまいます。ですから演劇やパーティーなどの場面を除いて、本能に訴えかけるという意味で自然さという点も考慮すると良いでしょう。
ナチュラルメイクとは計算されたメイク
以上の理由から、魅力を高めるために赤を使うなら血色の良さを際立たせるナチュラルメイクは自然に魅力を高める良い使い方でしょう。
ナチュラルメイクとは言葉通り「自然に近い」メイクであって、ただの薄いメイクではありません。この観点からすると、自然に若さや健康をアピールできる(≒巧妙にカモフラージュした)メイクという方が正しいでしょう。ナチュラルメイクは本能に訴えかけると言う意味で実に攻めているメイクであり、高等戦術なのです。
実際に、ナチュラルメイクでは「すっげえ美人!艶っぽい!」といった印象ではなく、「なんとなくかわいらしさがあるんだよな」といった言葉では表現しにくい好印象を持たれるはずです。本能はなんとなく感じるものであって、言葉にしにくいからです。
さらに、他の人ほど気合が入っていないように見えるのになんとなく美人・かわいいと魅力を感じてもらえると、よりあなたの魅力が際立つ事になります。ガリ勉が90点取るのと、みんなと遊んでいて勉強していないのに余裕で90点取っちゃう優等生だったら後者の方が底知れぬ魅力を感じるのと一緒です。
あなたも赤色を使いこなし、明るめのチークで魅力をアップさせてください。
最後に、魅力というのは合わせ技です。知的な雰囲気を身に着ける方法やコミュ力アップの科学なども参考にして、あなただけの魅力を作り上げてください。
赤を使いこなして恋愛強者になろう!
引用・参考文献
1)Lehmann, Gabrielle K., Andrew J. Elliot, and Robert J. Calin-Jageman. “Meta-analysis of the effect of red on perceived attractiveness.” Evolutionary Psychology 16.4 (2018): 1474704918802412.