ミラーリングはバレてなくても気持ち悪く感じる!その心理学的理由

鏡を見る女性 心理学

…さっき会った人、あなたのマネしてましたよね?
なんだか見ていて気持ち悪い感じがしました

そうだね。ミラーリングしてたんじゃない?
あと、途中から私のマネをしてたけど、最初はあなたのマネをしていたよ。気づいてた?

えっ!?それは気づきませんでした…
でも、最初からあの人と話していると気持ち悪い感じがしたんです。
私はミラーリングに気づいてなかったのにどうしてでしょうかね?

ミラーリングって一時期流行ったから、取り入れようとする人は多いよね。
じゃあ今回は、ミラーリングを気持ち悪く感じる理由についてエビデンスを元に解説しよう!

おねがいします!

親しくないのにミラーリングをしてもぞっとされるだけという研究

結論から言うと、悪い事は言わないからミラーリングだけで好意を持ってもらおうというのはやめておけ
ほとんどが逆効果

エビデンスあるんですか?

mimicry(相手の模倣をすること)について調べた2012年の研究がある。
この結果、相手に親しさを感じていないのに模倣をされると、ぞっとするような印象を与えることがわかっている。これは模倣に気づかなくても起こるんだ

2012年Leanderらの研究ではmimicryについて以下のように述べられています。

  1. この実験では、温かみのある人(アイコンタクトや微笑みの多い友好的態度)の模倣は親近感を与えたが、礼儀正しく堅苦しい態度の人が模倣をするとぞっとするような印象を与えた
  2. 模倣の実験中、参加者はミラーリングには気づいていなかった
  3. 「どれくらい親しいか?」という暗黙の範囲を超えると不適切で、「おかしい」と感じる為ぞっとするような感覚を抱くようだ1)

私は無意識に「なんかこの人ヘンじゃね?」って感じていたんですね

そうだね。
親しくもないのにミラーリングをすると、そのちぐはぐさが不気味さや警戒のサインとなってしまうわけだ。
逆に、親しげで温かみのある人と話している時は模倣は良い印象を与えている
「私たちは仲良しです!この人となら同調しても不思議じゃないよね!」というわけだ。

逆に、「ワガハイはこのミラーリングで相手を…ぐふふ」と心理学の本を読んで思っているような人はコミュ力がついてきておらず、話すのに慣れていないため緊張してたりする。
結果としてちぐはぐでミラーリングが逆効果になるわけだ

まとめ
親しくないのにミラーリングしても気味悪がられるだけ

ミラーリングは上級者向け、安易に行ってはいけない

ミラーリングってたしかに心理学の本でもよく見かけますし、
とりあえずやってみよう!」みたいな感じで手を出しやすいですもんね

それが大きな落とし穴だ。
その「とりあえずのミラーリング」でぞっとする感覚を与えているわけだからな。
やるとすれば、他のコミュ力対策を十分に行ってからだろう。
なぜなら親しげで温かみという土台なしにミラーリングはありえないんだ。
ミラーリングは最後の仕上げに使う、上級者向けのテクニックってことだな

…でも、ミラーリングでチョロく好感を持たれたいっていう気持ちはわかるんですよね。
だって、相手のマネするだけで好意を持たれるんだったら手っ取り早くて嬉しいじゃないですか

そのせいでマズい連中が続出しているんだがな。

おまけに、ミラーリングは有名すぎるがゆえにバレたら超悲惨だぞ。
「お前はこうすれば好意持つんだろ?チョロいよな。ほらほら」と相手を軽視していると思われるからな。
完全にコミュ力とは正反対の方向に走り出しているぞ

うわぁ…
そう考えるとキツイですね

だからコミュ力を高めて、自分の魅力や影響力全体を高めていく方がいい。
そして最後に気持ち程度、ミラーリングで同調するのは仲良くなるきっかけくらいにいいかもしれない。スパイス程度だ。
ミラーリングを主戦力にして好感をもたれようとしてもキモがられるだけだぞ

わたしはやめます。ミラーリング

まとめ
ミラーリングは上級テクニック!やめておいたほうが無難

ミラーリングよりも先にやるべきこと

どう考えてもミラーリングはリスクが大きすぎます!
もう少し安全なものはないんですか…。

では、今回のミラーリングの教訓から自分への影響力や好感度を増したい時はなにをするべきかについて解説していこう

さっきも言ったが、コミュ力や影響力は総合力だ。
一つのテクニックというよりは、バランスよく組み合わせて伸ばすことが重要だ。

たとえば、隠キャなのにいきなり肩を組んで「ウェーイwww」とかやっても「無理してるな」「イキってんな」と違和感を持たれて好感は持たれないだろ?
堂々とした振る舞い相手への共感的な態度しゃべり方やジェスチャーなど、これらを総合的に伸ばしていくことで好印象となる

それはわかりますが、具体的な方法はあるんですか?

もちろんだ。
というより魅力と影響力の心理学カテゴリの過去記事で散々解説している。
中でも特に取り入れやすいものを下にいくつかピックアップしておいた。
ミラーリングを使おうとするより、まずこっちの方がいいだろうな

それから、カリスマの科学あたりもおすすめだな。
なんかよくわからんが惹きつける魅力がある」という特性を研究を元に言語化したものになる。
この辺を少しずつ練習していくのが結果的には手っ取り早いと言えるかな

影響力や魅力を高めるのには少し時間がかかるんですね

総合力勝負になるから少し時間がかかることはあるだろうな。
もしかすると年齢を重ねた人の円熟みやかっこよさは、この高いレベルの調和によるものと言えるかもしれないな

なるほど!
じゃあ私も少しずつ魅力と影響力を増すために練習してみます!

いい考えだね。
でも、ミラーリングは取り入れるとしても最後でいいと思うよ!

まとめ
魅力や影響力を増す方法はあるが、ミラーリングは最後でいい!

引用・参考文献

1)Leander, N. Pontus, Tanya L. Chartrand, and John A. Bargh. “You give me the chills: Embodied reactions to inappropriate amounts of behavioral mimicry.” Psychological science 23.7 (2012): 772-779.

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