この記事まとめ
・私達は無意識に相手の魅力を判定するのに匂いと声の影響を受けており、直感や勘違いの原因になっているかもしれません。対策として、感覚情報の少ないLINE等でやりとりを重ねたり、他の心理学の知識と組み合わせると相手の本質を見抜きやすいです。また、匂いや声で魅力を高める方法について学べば、あなたの魅力を増す事もできるでしょう。
「この人は運命の人だ!」「この人と結婚するかも‥!」
恋愛や婚活をしていて、直感でそう感じた事はありませんか?そんな人と出会えた事はとても素晴らしい事ですね!ですが、そんな素晴らしく思える相手だからこそ不安にもなるものです。
「この直感を信じてもいいのだろうか?」
その慎重な気持ちはあなたの本気のサインでもあります。本気だからこそ、私たちは直感はどうやって判断しているのか、直感をうまく生かすにはどうすればいいのかという事について論文を元に心理学的解説をしていきましょう!
人間は無意識の組み合わせで第一印象を作っている
私たちは、会って話した瞬間、魅力を感じるような相手と出会う事があります。
もちろんモデルや芸能人のような人を見れば、思わず息をのむような感覚になるでしょう。私はニノが好きなのですが、なんだったら写真だけでも好きです。このように人間の魅力というのは視覚、つまり見た目によるものが大きいのですが、実はもっと複合的なもののようなのです。
気づいていなくても、匂いや声が魅力に影響している
今回参考にするのは2017年A Groyeckaらが過去の魅力に関する研究を調べたレビュー論文になります。1)詳細は以下の通り。
- これまでの研究は身体的な魅力に焦点を当てすぎで、匂いと声の影響を過小評価している!
- 魅力に対する各感覚の重要性は、関係の進行とともに変化するかもしれない。たとえば、最初は見た目(視覚)から入り、話していくうちに声(聴覚)を、さらに関係が深まると匂い(嗅覚)が情報として追加され、無意識に影響していく。
- 私たちは体臭や声から、遺伝適合率や食事や健康状態(体臭)、支配力や協調性・感情の状態や体力(声)などを評価しているかもしれない。しかも結構正確だったりする。
- この判断基準は性別によって差があり、女性は嗅覚に注意を払う傾向がある。男性は魅力を判断する時に視覚に頼る傾向がある。
というわけで、直感的に「この人はパートナーとしてふさわしいのか?」という事について見た目だけではなく匂いや声などからも判断していて結構当てになるとのこと。なかなかすごいもんですね。
直感は結構当てになる
確かに、写真を見せてもらっても「ふうん」くらいにしか感じなかったのに、実際に紹介してもらうと「ステキだと思った!」「ビビッときた!」といった事があります。その人のキャラクターももちろん関係するでしょうが、うまく言語化できないものは匂いや声といった無意識の感覚が影響している可能性があります。
つまり、私たちは匂いや声から、
「この人は体臭もきつくないし、ジャンクフードばっかり食べてるような脂ぎった感じじゃなさそう。それに落ち着いた声だから自制心もあってタフで仕事もできそう。ステキ」
「この人は少し臭うし、セルフケアに気を遣ってないみたい。ボソボソ喋るしあまりコミュ力もなさそう。ナシですね」
と無意識的に本能が判断・仕分けをしているわけで、これが私達の言う直感と考えられます。
余談になりますが、匂いから遺伝適合率まで判断しているようだと論文では書かれていますから、思春期の女の子が「パパくさーい」「パパの洗濯物と一緒に洗わないで!」とひどい事を言うのは本能が直感的に遺伝的合率を判断した結果と考えられるでしょう。
このように特に女性は嗅覚に注意を払う傾向がありますから、気になる女性をデートに誘いたいなら匂いには要注意ですね。
勘違いを避けるには理性(他の心理学の知識)を組み合わせる
このように直感や本能はある程度正確なものの、死角が必ずあります。この死角に気づかないと、本能が「勘違い」をしてしまう事になります。
そこで登場するのが、この死角をカバーしてくれる理性になります。あなたがこうして心理学の論文を元に知識をつけているのも理性・知性の賜物ですよね。本能の死角は知識で補う必要があります。本能だけに意思決定を委ねるのは、ガマンせずに本能のまま食べたいだけ食べる事と同じです。私たちは知識として暴飲暴食はマズいしスタイルも悪くなると知っているから、食事内容を適度に調整をしているはずです。
同様に、もし本気の恋愛をしたいなら本能だけに投票権を与えるのは軽率すぎるかもしれません。相手としても、「ビビっときたから好きです」ではなく、どんな人間かをちゃんと理解した上で「私はあなたの事を深く知って、もっと好きになったから結婚したい!」と言ってもらった方がはるかに嬉しいはずです。
相手がどんな人かを見抜くポイントとしては、信頼の科学など他の心理学の記事を参照してください。これらを組み合わせつつデートの中で直感が正しいのか組み合わせで判断していきましょう。こうすることで勘違いは最低限に防ぐことができるでしょう。
メッセージで匂いや声を遮断して、客観的に判断してみるのも有効
さらにLINEなどのメッセージでのやりとりをすることで、匂いや声といった感覚情報がない状態でのコミュニケーションをすることができます。これによってフラットな判断がしやすく、本能の死角を埋めることができるでしょう。
なぜなら、声・匂い・見た目・言葉といろいろなものが合わさって人の魅力や信頼性は判断されます。直接話していると、言葉ではおかしいことを言っていても、声や匂いなどのコンビネーションによって「なんか変だけどまあOKOK」と本能に流されてしまい、違和感を見過ごす原因になってしまいます。
よくある例としては、雰囲気に流されやすい人がいますが、そういうタイプの人は感覚情報で押し切られている事があります。友人にエピソードを伝えたら「えっ、その人絶対やばいって!やめときなよ!」と言われたりするのも雰囲気に流されている時に多いですね。
客観性を持たせるためには直接会って盛り上がる事に加えて、過去のメッセージのやりとりだけを眺めて判定してみるのも一つでしょう。客観性という意味では友人に相談する事も効果的でしょう。
男女別第一印象での魅力を高める方法
これまでは自分の直感を使う側の話をしましたが、発想を逆転させれば相手の本能に語りかけ、出会った瞬間から好印象を与える事もできるはずです。あなたの魅力を高める方法を相手の男女別に紹介します。
男性は視覚を中心に魅力を判断する
先ほど述べたように、男性は視覚優位で相手の魅力を判断する傾向があるのでしたね。となると、恋愛相手が男性であればメイクであったりスタイルの良さから攻めた方が魅力を感じてもらいやすいという事になります。
メイクに関しては女性の魅力を増す赤の科学を、また引き締まったスタイルを得るためには効率の良い筋トレとストレッチを組み合わせた運動法の記事などを参照してください。さらに、視覚優位ということはスタイルだけではなく振る舞いも影響している可能性がありますから、好印象を与える姿勢の科学あたりも抑えておきましょう。
女性は匂いに注意を払う傾向
恋愛相手が女性であれば、嗅覚優位である可能性が高そうです。よって、魅力を高めるにはまず匂いへの対策から行うと効率が良いでしょう。
香りついては匂いの科学の記事を参照にしてください。一応ポイントをかいつまむと、「消臭が第一位優先」です。具体的におすすめする男性向けプロダクトとしてはエージーデオ24 メンズ デオドラントスプレー スタイリッシュシトラスを挙げていますが、匂いうんぬんの前にまず体臭に対処してください。詳しい理由については記事を参照していただければと思います。
共通して行うべき事
恋愛相手の男女別対策方法としては以上の項目から行うと良いのですが、大前提としてどんなにきれいごとを言っても、他の要素が影響していたとしても身体的魅力はモテにおいて軽視できません。
身体的魅力を高めた上で、最後に残った聴覚(声)についての対策も行いましょう。身体的魅力や声についての対策方法は科学で顔ゲーを攻略すると評価される声の科学の記事を参照してください。
これで感覚情報への対策は一段落ですが、最後にコミュニケーション能力を高めるために相手の心を読むコールドリーディングなどを習得しておくと盤石になるでしょう。コールドリーディングができておくとコミュニケーションはイージーモードになりめっちゃ気の利く人になれますので、早い段階で習得してとく事をおすすめします。
内面と外面のカードを揃えて魅力を完成させよう!
引用・参考文献
1)Groyecka, Agata, et al. “Attractiveness is multimodal: Beauty is also in the nose and ear of the beholder.” Frontiers in Psychology 8 (2017): 264648.