良書まとめになります。私が世の中を理解したりピンチを脱するのに役立った使える本をリスト化しておきます。
本は読むだけではなくいかに本を読んだ上で経験を増やせるかが大事で、遊びと読書を繰り返す事です。どれでも読みやすそうなものから手に取ってみてください。
コミュ障克服の第一歩に自己啓発ロングセラー:人を動かす
デールカーネギー著の自己啓発本ロングセラー。この本に出典や引用はなく、ほとんどがエピソードトーク。「自己啓発本」「出典や引用はない」というキーワードだけでヤバそうな臭いがプンプンしますが、実際私がこの手の本をおすすめするのは珍しいです。
内容としては
「相手の名前を覚えようね(はーと)」
「お前ら論破すんなよ(笑)」
みたいなものが多く、道徳の教科書大人版みたいなものです。高校生や大学生でもサラッと読めるので、読書初心者が読書経験値を積んでいくとっかかりにもおすすめ。
具体的な使い方としては、エピソードトークが多いので「この言い回しは気が利いてるな」という表現方法を抜粋して効率よく暗記できるankiとかに入れ、とっさに言葉が出るようにしておくとコミュ障克服の語彙力アップに役立ちます。
たとえば、本書にはルーズヴェルトに関する逸話があります。お偉いさんたちが焼いたパンを食べないという事をお手伝いさんから耳にした彼は「ものの味がわからんのだね。大統領に会ったらそう言っておこう」とそのパンを頬張りながら言った1)というエピソードです。
この状況とフレーズを覚えておくとしましょう。そして、例として友人がこのように愚痴をこぼしていたとしましょう。「最近出会った人と二人で遊びに行ったけど全然ダメ。私になんて興味ないみたい、今回もダメだった」。これは頑張っているのに評価されないという状況は一緒ですよね。そこでこう返します。
「その人は女性を見る目がないんだね。今度会ったらそう言ってやろう」
このように型を引用して気の利いた返しが即レスでできるようになると知性的で優しさにあふれる人と思われるでしょう。さらに、「議論を避ける」など、してはいけない事も書いてあるので、やってはいけない事を把握しておく事で地雷を踏むことを防げます。コミュニケーションは何をしないかが大事だったりしますからね。
1)人を動かす文庫版. 日本, 創元社, 2016.
うまく言い返せない、自分の意見を言えずに損ばかりしている人に:反論の技術
なんだか正論っぽく言われると言い返せない。きれいごとに丸め込まれてしまう。人生経験が少ないとそういった悔しい思いをするものです。
しかしこの本だと初っ端から正論もきれいごとも打ち返します。正論やきれいごとを述べた相手に対して序盤から容赦しません。
「世間一般で容認されている価値判断をなぞっただけの文章で何のために主張しているかをまるで考えない。はっきりいってこの生徒は悪質だ。」
反論の技術:その意義と訓練方法 香西 秀信
「一般論として誰も反対しないような正しい意見である。という事は、意見として主張する必要がないという事だ。」
本の序盤からコレ。香西教授には絶対に屁理屈は通用しなさそうです。
この本を読んでいくと、論のどこがおかしく、どう返すのかといった型のようなものが理解ができます。打ち返し方がわかると、堂々と自分の意見を述べられるようになってきます。
注意点としては、先ほどの例を見てもわかるようにこの本で取り上げられている例文がかなりパワーワードたっぷりな事。ディベート大会ならまだしも、職場等だと強すぎる。日常生活で使うには少し手加減が必要でしょう。
念のため触れておきますが、こういった反論のテクニックはただ論破のために学ぶのではありません。最近のひろゆき氏の影響力はすさまじく、「論破」が小学生にも流行ってしまっているという話も聞きます。しかし目的を忘れて論破に夢中になると色んな意味で何かを失う危うさがある事は覚えておきましょう。
正しい使い方として、私は交渉や見積もりでふっかけられそうになった時に、この本で学んだように反論したら全て勝利を収めました。サンキュー、香西教授!
良書ですが、次に紹介する論理トレーニング101と合わせて読むとさらにgood。
問題解決能力向上とへりくつに論破されないために:論理トレーニング101題
この本で論理に慣れていくと、会話や議論中に「今話をずらされたな」とか「今自分は合理的ではない考え方になっている」という事に気づけるようになってきます。この気づくというのが非常に大事で、失態を防いだり相手の主張の弱い所がFFのライブラのようにわかるようになります。
この本を読んだ上でさらにいつくか場数を踏んでいくと、私に議論では誰も手も足も出なくなりました。
話を逸らされたら戻す。感情論なら指摘をする。おかしい事はおかしいと下の者を諭し、指摘をすることは仕事でステップアップしていくと要求されますから、私たちは屁理屈に対して知恵比べで負けないようにしておかないといけません。
また、論理的に考えるという能力は問題解決に必須です。自分に対して使えば問題解決能力向上に対しても有用な本と言えるでしょう。
できれば管理職になる前に、将来的に管理職を目指している人に読んでほしい本です。管理職の能力である問題解決力や他部署・外部交渉にも役立ちますから、自ずと上長として適任な振る舞いになっていくでしょう。これは物知りになる本ではなく、ダンベルのように使って強くなる本です。
注意点は、著者自身が本文中で述べてくれています。下記の文章はこの書籍で最も重要な一文だと私は思います。
「論理トレーニングの成果は、親、兄弟、友人、恋人、とりわけ配偶者に対して無分別に発揮してはならない」
論理トレーニング101 野矢 茂樹
論理や議論に強くなっても、力に溺れるとしっぺ返しをくらうので注意が必要です。闇雲に抜いてはいけません。
しかし力を抑えている分、土足で自分のテリトリーを侵すような人に対し、待ってましたとばかりに間合いに入った瞬間一刀両断する事は実に気持ちがいい。どうやら私ももう一回読み直した方がいいですね。
強くなったからこそ相手を「逃げ道」に誘導し、落としどころを作ってあげるようにする事は覚える必要があります。先ほど紹介したディールカーネギーの人を動かすでも、「論破すんなよ(笑)」って言ってたのを忘れてはいけません。ここで様々な本を読むという大事さがわかりますね。
人間関係構築に!相手の信頼を得る会話術:コールド・リーディング
コールド・リーディング : 人の心を一瞬でつかむ技術 Rowland, Ian, 福岡洋一.
良書。日本でコールドリーディングを学ぶならこの本でしょう。コールドリーディングとは占い師が好んで使う、相手が喋っていない事でも相手の事を言い当て自分の事をよくわかっていると思わせる話術の事です。本当に心を読んだり透視できるわけはないではないのですが、結果的にそう思われる技術です。
ただ、この本を使ってサイキックや占い師、メンタリストになれというわけではありません。これを使って相手にとって「すごく理解してくれる人」になる事にこそコールドリーディングの価値があります。相手の理解者になり信頼を獲得できるのだとすれば、仕事やプライベートで使えばすっげえうまくいくじゃん?最強のコミュニケーションじゃね?ってことですね。
この本を読めばコールドリーディングは何なのか、どのようなテクニックがあるのかという事を掴むことができるでしょう。
しかしそれだけではせいぜい駆け出しの占い師にすぎません。「あなたは賢いですが、時にあまりよくない判断をしてしまうことがありますね」とテクニックをそのまま使って日常会話で言ったとしても信頼は得られず、むしろヘンな人だと思われて終わりでしょう。
これらのテクニックを抑えつつ、コミュ力を高めるコールドリーディングの練習方法を徹底解説も参考にしてみてください。この方法と組み合わせるとテクニックがいよいよ本領発揮し輝きます。やってみればわかりますが、占いよりも日常生活で使う方が練習が必要で頭を使います。ただ使うだけなら前述の占い師もどきになってしまいます。
逆を言えば、習得に練習が必要だからこそ誰にでもできるわけではないので苦労の見返りがある、とも言えます。
ビジネスはきれいなことだけではない:ヤバい経済学
きれいなことだけで経済(社会)は動いていないよ!という厳しい現実を理解する一歩目にオススメ。人はなぜごまかしをするの?プロは信用していいの?といったことにインセンティブ(報酬)などの観点からユニークに解説してくれています。
この本の使い方は、たとえば「自分のライフプランについて誰に相談したらよいか?相談するならどんな立場の人に相談するべきか?」といった日常の判断や交渉に対するヒントを与えてくれえるでしょう。
この本を読むと、相手(プロ)は素人の私達にどう行動するのかを理解しやすくなります。
え?お金を払っているのだから顧客のメリットになる事を提案するのがプロの責務ですって?ええそうでしょうそうでしょう。どう思っていてもそうとしか言えないでしょう。
私の場合はこの本が交渉やプロにサービスを委託しなければならない時に役立ちました。家を借りる時や、家電を買いそろえる時、年俸交渉などもそうです。記事にも書きましたが、相手の立場だとどう考えるのか、という事がコミュニケーションの基本です。相手の立場を理解できればグッと有利になるのは自明でしょう。
ちなみにあなたは先ほどの問題についてどんな理由で、どんな回答を出すでしょうか。一つの答えとして、バフェットも「髪を切った方がいいか床屋に聞いてはいけない」と言っています。
普段の生活で役立つ本ばかりよ!