独特の雰囲気がある人とは?科学的に身につける方法

スーツの紳士 心理学

 独特の雰囲気のある人っていますよね。存在感があるというか、落ち着いていてすごみがあるというか。人によってはオーラがあると表現したりします。

 今回はそのオーラとやらを科学的根拠で解き明かしますもう忖度なしにいきます。だって令和ですよ、オーラなんてあるわけじゃないじゃないですか

 つまり、その独特の雰囲気とは何かを理解さえすれば、私達もただものならぬ雰囲気を身に着ける事ができるということです!さあ行ってみましょう!

科学的な「独特の雰囲気」とは?

人は体の動きから感情をかなり正確に読みとっているという研究

表情じゃなく体の動きでばれているのね

 2024年のCrawfordらの論文になります。この研究では体の動きから感情は読めるのか?という事をVRを使って調べてくれたものになります。1)結果は以下の通り。

  • VRで高い所と低い所を歩いてもらったら、評価者は被験者が感じているこわさをかなり正確に判断できた
  • 感情は表情で読むと思われがちだけど、体の動きからもかなり正確にわかっているみたい!

 体の動きから「この人は怖がってるんじゃない?」って事がかなり正確に見抜けたみたいですね。VRですから実際に危険な事はないはずですが、それでもプレッシャーがかかって恐怖を感じているというのは見た目だけでもかなり正確に見抜くことができたわけです。

独特の雰囲気とは立ち振る舞いでしかない

 このことから、私たちは表情だけではなく振る舞いから「ビビってるな」「自信がありそうだな」とかなり正確に見抜かれていると考えた方が良さそうです。人は見た目ではないとよく言いますが、どうやら研究によると見た目で判断されています。これは受け入れましょう。

 雰囲気のある人というのは、この体での感情表現が上手い人ということになるでしょう。華のある人や能力に自信たっぷりな人は自分から動く必要がありませんからゆったりとしているでしょうし、まだ若さが目立つ人というのはせかせかとせわしない動きをするでしょう。

独特の雰囲気を持つ人の特徴5選

トラブルでも慌てない

 突然のトラブルに見舞われたときでも独特の雰囲気がある人は慌てません。慌てるどころか、その落ち着きが周囲に安心感を与えてくれます

 これは先ほどの研究のとおり、私たちはその人の立ち振る舞いから「この人は動じていない」と感じているからです。自分は慌てているけれど、この人は慌てていない。つまりそれだけこのトラブルを対処できる自信があるんだ!と能力から来る自信を無意識に受け取るからです。

笑顔が多い

 私たちは普通、楽しい時や余裕がある時に笑いますよね。

 ですが、独特の雰囲気のある人は忙しかったり、余裕がないときでも笑います。一見おかしい人のようにも感じられますが、「せっかくだからこのピンチを乗り越えられるか楽しんでみよう」「逆に燃えてきた!」と状況に飲まれるのではなく、状況を飲んでかかる胆力を持ち合わせています。

 逆に、忙しい時にイライラする人には雰囲気を何も感じないはずです。ただし悪い事ではなくそれが普通なのです。

 しかし、独特のオーラがある人というのはいつでも楽しむ余裕があり、せっかくなら楽しんだ方がトク、という前向きな姿勢も持ち合わせています。その姿勢が笑顔となって表れる事が多いです。

周囲を見渡し、ゆっくりとした動きをする

 独特の雰囲気がある人は周囲を見る余裕があります。これは自分に絶大な自信があるからこそ、自分に注意を向ける必要がないからです。

 代わりに周囲の人に興味があります。疲れていないか、悩んでいそうな人はいないか。話したいと思っている人はいないか。何を考えていそうか。相手の振る舞いをじっくり観察します。そう、とても気配り上手でもあるのです。逆に、雰囲気のない人は自分が話したがり、他の人の反応などを見る余裕がありません。

 この点、コールドリーディングという心を推測する技術を習得している人も、相手の振る舞いや考えを推測しますから自ずとこのような態度になりやすいです。

ふとした時にこわい時がある

 体や表情での感情表現がうまいというのは、ポジティブな感情表現だけではありません。

 独特の雰囲気を持っている人は、筋が通っていない事や、道徳的に許容されない時などは一瞬にして雰囲気が変わる時があります。まさに空気が一瞬にして張りつめます。

 しかし、その空気が長続きする事はありません。彼らは相手が反省したり、ものごとが解決した場合はいつものような温かく余裕のある雰囲気に戻る、切り替え力も持ち合わせているのです。

 彼らは真剣にメッセージを伝えたいからこそ、言葉だけではなく振る舞いや表情を使って相手と話そうとします。そして、余裕がありますから伝わりさえすれば怒ったりする必要がない事も知っているのです。

モテる

 以上のように、多少の事には動じず余裕があり、能力もありそうだとなると当然ですが独特の雰囲気がある人はモテます

 どうしてこの人はこんなに落ち着いていられるんだろう、この能力や自信を得るのにどんな経験をしてきたのだろう。そんな不思議な魅力があるのです。

「独特の雰囲気」は練習で身に着けられる

 では、私たちがそのオーラや雰囲気があるなと思わせる方法を考えてみましょう。

 ちなみにみなさん営業スマイルはできますか?‥苦手?練習すればできそうですか?ああ、そうそう。いい感じです。これが答えです。

動じない「オーラ・雰囲気」は練習できる

 以前、第一印象の記事では非言語的な振る舞いにのポイントに触れましたし、一人でできる人前で堂々と話せる人になる練習方法の話では鏡を使って振る舞いをチェックするのが有効だという話をしました。今回の研究から、これらの方法が有効なのはビビらない振る舞いを練習するからと言えます。

 人間ですから誰しも緊張していると動作や姿勢として「ガチガチ」「こわい」といった非言語のサインが出てしまいます。それならばそのネガティブな非言語サインを打ち消す練習をすればいいわけで、鏡を見ながら「これは自信がなさそうに見えるからゆっくり動こう」「背筋を伸ばして大きく動こう」といった振る舞いの練習は能力から来る自信のアピールとして有効という事です。

「動作」の練習をする人は少ない

 「なーんだ、鏡を見たりして堂々とする練習をすればいいのね」

 と思ってしまいがちですが、実のところ動作の練習をする人はモデルでもなければ珍しいです。「普段自分はどうしゃべっているかを直す為に鏡や録画をしてみよう」と考える人はどれくらいいるでしょうか。

 このような事をする人はほとんどいません。ですから独特の雰囲気を持つ人というのはあまりおらず、先天的にできる人だけが持つ「オーラ」だと思われがちです。しかし、今回その「独特の雰囲気」は振る舞いや動作かもしれないとわかりました。

 さらに、様々な角度からどう見えるか、どんなしぐさをしながらしゃべっているかを意識する人はほとんどいません。マジシャンもそうですが、私たちは正面からだけではなく様々な角度から見られます。それに対して、私達が鏡を見る時はほとんど正面しか見れません。ですから三面鏡などを使うと効果的です。

 この雰囲気を練習で身に着ける事ができれば、人前で話す時はもちろん、一対一で話している時やグループでの雑談などでも「あの人雰囲気あるよね」といった好印象を与えやすくなります初対面での堂々とした振る舞いは相手に落ち着きを与え、魅力的にも映るでしょう。さらに、振る舞いで信頼性を増す事ができれば多くの人と関係を深めるチャンスが増えるというメリットも考えられます。

 他にもストリートスマートの記事に書いたように一流のサービスを経験する事で一流の振る舞いを学ぶことができますから、それをコピーできるように参考にする事も効果的です。

 これからは営業スマイルではなく営業動作の練習がメインになるかもしれませんね。

尊敬できる人の立ち振る舞いを「モノマネ」するのもいいかもね!

引用・参考文献
1)Crawford, Matthew T., et al. “Emotion in motion: perceiving fear in the behaviour of individuals from minimal motion capture displays.” Cognition and emotion (2024): 1-12.

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