【エビデンスで学ぶ】マッチングアプリで誰とも会えない原因と対処法

手をつなぐ恋人 恋愛心理学

マッチングアプリを始めてみたものの、なかなかマッチしない、誰とも会うところまで行けない‥

そんな相談を受ける事があります。ですが、不思議な事に相談をしてくる人は外見もスペックも悪くない、むしろ良かったりするのです。

となると当然ある疑問が湧いてきます。なぜこの人達が会うところまで行けないのか?

この疑問についていつものようにエビデンスを元に解説し、マッチと出会いを最大化する戦略を紐解いていきましょう!

会えないのは内容以外の「小さな手がかり」のせい

 今回参考にするのは2006年Journal of computer-mediated communicationに掲載されたN Ellisonらの論文で、オンラインでの印象管理と自己アピールについて調べてくれたものになります。1)詳細は以下の通り。

  • いい印象を与えることは関係の初期にめっちゃ重要!そしてオンラインでは、小さな手がかりを元に相手を判断している
  • たとえば、文法やスペルミスからも相手の教育レベルなどを判断している。これらは相手がコントロールできない手かがりだと思われているようだ
  • 他にも前回のログインからどれくらい時間が空いているかや、メッセージを送る時間帯なども「小さな手がかり」に含まれている

このように、マッチングアプリでは情報そのもの以外の「小さな手がかり」印象形成に影響を与えているようです。

判断されるのは写真やプロフだけではない

この結果からわかることは、私たちはまだ会った事がない相手でも文法やスペルミスなどによって教育レベルを判定され、おまけに「普段の生活でも不注意なんじゃないかしら?」と想像されててしまうということです。しかもこれらは相手からすると意識してコントロールできない事と感じているようですから、相手にとって信ぴょう性のある情報として受け取られてしまうわけですね。これはまずい!

以前書いたマッチングアプリは早期決着!の記事でもオンラインでは国語力勝負だ!という話をしました。やはり情報量が限られるオンラインでは言葉の力っていうのは結構強烈です。

さらに、文法だけではなくメッセージを送る時間や文章の長さも相手を理解する手がかりとして使用されます。たとえば深夜にメッセージを送っているとか、やたら長文で送ってしまうなども手がかりになり得るということですね。「何を書いているか」だけではなく「どのように書いているか」が重要だという事です。

つまり、特に何も悪くないのになぜかマッチしない‥という人は情報ではなく、情報の与え方によってミスっている可能性があります。これはオンライン特有の現象です。

もし対面での出会いであれば、多少の言葉遣いの間違いや噛む事があったとしても誰も気にしません。なぜなら他の情報量が多いからです。言い間違えたところを巻き戻して再生されることもありません。話している間はアイコンタクトをする・堂々と喋る・にこやかでオープンなジェスチャー‥このようなたくさんの情報の一部に正しい文法や言い間違いなどがあるだけですから、情報として文法の重要性の比率は下がります

しかし、オンラインではこれらの情報はありません。しかも送られてきた文章は自分のペースで読み、気になるところは読み返すこともできます。さらに、メッセージは急いで返信する必要はありません。ですから相手は送信前にメッセージ内容を確認することも可能なはずだと思うのです。それなのに文法ミスがあるのはその人の教育レベル(国語力)を反映しているのか、それとも元から不注意なのか‥と小さな手がかり」に対してシビアに観察されてしまうのです。

そう考えると「なかなかめんどくさいですな」と思うかもしれませんが、逆を言えば対策しやすく差をつけられる部分でもあるということです。このようなオンラインメッセージ特有の問題について理解したところで、対処方法を学んでマッチを最大化できるように対策していきましょう。

マッチングアプリでの段階別攻略法

マッチしない・メッセージのやりとりまで至らない

もしあなたが悩んでいるのがマッチしない・メッセージのやり取りができないという段階の問題であれば、写真やプロフィールに改善ポイントがあるかもしれません。

写真の有無で4〜6倍の差が出る

まず大前提として、写真ははっきりどんな人かわかるものが良いです。どれほど写真が重要かというと、写真がある場合、男性なら4倍、女性なら6倍も多く見られるという結果が出ています。2)

もちろん写真を載せるのは恥ずかしいし、知らない人に顔を見られるのもイヤだという気持ちは非常によくわかります。ですが、写真がないというのはそれだけでハードモード、それもゲームの難易度で言えばクリア後に解放される「ハーデスト」とか「ルナティック」とかのレベルです。

自信がないから写真を載せないというのはあまり賢い判断ではありません。むしろ逆であり「自信がないからこそ写真を載せて有利な局面を作り出すべき」なのです。

私の魅力は他の連中の4〜6倍に及ぶため、写真は不要なのである」と横綱相撲で勝負を楽しむのであれば構いませんが、もしあなたが横綱ではない場合、写真はどんな人かはっきりわかるものを載せた方が良いでしょう。メッセージ云々はそれからです。どすこい。

失点を防ぐプロフィールの書き方

写真は掲載しましたか?次はいよいよプロフィールの文法について添削していきましょう。

まず下記のプロフィールを見てください。

「私は〇〇で会社員をしていて、書き物もしていて、趣味は音楽でピアノが好きですがジャズピアノが特に好きです。旅行に行ったりするのが好きで、友達と行ったりして、食べ歩きをしたりしてリフレッシュするのが好きで、好きなタイプなのはたくさん食べる人とかです。いっしょに趣味を楽しみたら嬉しいです」

このようなプロフィールでも意味はわかります。わかりますが読みにくく頭に残りにくいです

このように「〜で、〜て、」とand系の接続詞でダラダラと続く文章は、対面・オンラインに関係なく冗長で何を言いたいのかよくわかりません。このプロフィールで「たくさん言いたいことがあるんだかわいいね」と言ってもらえるのはせいぜい20代前半までです。つまり私がこのプロフを書いた場合「この人大丈夫か?」と大きな減点を喰らうことになります。つらいですね。

ですから、一文をある程度短くしましょう。言いたいことは整理をして、簡潔にまとめるようにするとプロフィールが読みやすくなります。そして、文章構造がそのままあなたの知性の評価になります。

それを踏まえて先ほどの文章を書き換えると以下のようになります。

「私は◯◯で会社員をしていて、ライターを兼業しています。好きな事は音楽で、ジャズピアノに興味があります。友達と旅行に行ったり食べ歩きをしてリフレッシュするのが楽しみで、たくさん食べる人が好きです。一緒に楽しい思い出をたくさん作れたら嬉しいな」

結構読みやすくなりましたね。一文あたりの長さはこれくらいだと簡潔で読み手にも負担になりません。

メッセージが途中で終わってしまう

メッセージの場合もプロフィールと同様です。一文をある程度短くし、「〜で、〜て」を濫用しない事が基本になります。

「、」が多すぎると原始人のように感じられる

さらに、読点(、のこと)の使い方にも留意した方が良いでしょう。読点が多いのはなぜかオジサンのLINEに多くみられる現象なのですが、例としては下記のようなものです。

「私も、とても、楽しかったです。もっと、お話しできたら、嬉しいです」

このような文節ごとに読点を濫用するのはおすすめできません

あなたが余程文豪としてのセンスに恵まれていない限り「読点の多いところが太宰治みたいでステキ!」とはなりません。むしろ原始人が「オレ、オマエ、スキ」と喋っているかのように受け取られます。我々は凡人ですから読点を使いすぎないようにしましょう。

改善ポイントとして、この例文を修正するなら

「私はとても楽しかったです。もっとお話しできたら嬉しいです」

このように読点を省いて問題ありません。先ほどよりもすっきりとしていて読みやすいですよね。読みやすさこそが正義です。我々ごときが太宰先生を真似てはいけません

このような工夫をする事で文章からあなたの知性をアピールすることができ、「この人大丈夫かな?」といったマイナスなイメージを与える事を防げるでしょう。プロフィールメッセージのやりとりで意識をしてみてください。

メッセージの返信量と返信時間のポイント

それに加えて、メッセージの返信量にも気を付けてください。たとえば、相手が2〜3行のメッセージを送ってきているのに、公式の質疑応答のような長文を送りつけられたら相手は「うわっ‥」と思うはずです。文章の長さからも「この人と気が合うかな?」「リズムはどうだろうか?」といった事が測られています。

ですから、ほどよさが大事になります。LINEのようなリズム感での返信なら文章は2行程度が良いでしょうし、一日一回くらいの文通のようなやりとりであればもっともっと長くなるでしょう。メッセージも相手のリズムと長さに合わせる事で会話が噛み合いやすくなるでしょう

さらに、返信時間も見られていると思った方が良いです。真夜中ばかりに送ってしまったり、相手のリズムよりもあまりにも即レスがすぎると「この人夜更かししすぎじゃね?」「コイツ、仕事サボってね?」といった風に読み取られかねませんので注意しましょう。

感情の語彙力も必要

以前メッセージは感情の語彙力勝負だ!という記事を書きました(参照:マッチングアプリで距離を縮める質問のポイントとは)。

話が盛り上がらない、返信が来なくなってしまう場合には感情の表現方法を鍛えておく事も重要です。オンラインメッセージ上では声色やジェスチャー・表情がない分、相手は感情を言葉から読み解くしかありません

もし文章から感情が感じ取れない場合、何とも言えないよそよそしさ不気味さを感じる事になります。

これを実際のデートに置き換えると、棒読み・無表情相手と会話をするようなものです。盛り上がりそうですか?盛り上がらないですよね感情の表現力がないとオンラインでそのような事が起きてしまいます。よって、メッセージが途中で終わってしまう可能性が高まってしまうのです。

その感情表現力の鍛え方については、マッチングアプリで距離を縮める質問のポイントとはの記事で詳しく解説していますので必要な方は参照していただければと思います。

オンラインでのメッセージがデート結果にも影響する

これまではマッチし、メッセージをやりとりして一回目のデートに繋げるところまでを解説しました。ではその次は?‥もちろん一回目のデートで終わらず、二回目以降に繋げるという事が重要になってきます。

「よし、じゃあ当日のデートを頑張るぞ!うまくいく方法を教えろ!」

と思いましたか?ちょっと待ってください。

実はオンラインでのメッセージのやり取りが原因で、一回目のデートで終わってしまうこともあるのです。オンラインでのやりとりでは最初からこの点にも注意しましょう。詳しくは【これはダメ!】マッチングアプリで会っても1回目で終わるワケの記事をご覧ください。

デートまで行ければ、また別の対策が必要になる

これでようやくオンラインでのやりとりは一通り網羅した事になります。

あとは直接会ってあなたの魅力をわかってもらうだけ。会うまでにもっとあなたの魅力を高めたいのなら、恋愛心理学では他にもエビデンスを元にした記事が他にもあります。やることはたくさんありますよ!一緒に頑張りましょう!

引用・参考文献

1)Ellison, Nicole, Rebecca Heino, and Jennifer Gibbs. “Managing impressions online: Self-presentation processes in the online dating environment.” Journal of computer-mediated communication 11.2 (2006): 415-441.
2)Rosen, Larry D., et al. “The impact of emotionality and self-disclosure on online dating versus traditional dating.” Computers in Human Behavior 24.5 (2008): 2124-2157.

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