プレゼント選びが上手い人が持っている「2つの基準」とは?

プレゼントを隠している女性 心理学

「あの人、贈り物のセンスがいいよね」

そう言われる人がいます。センスの良いプレゼントができると、もらった人が喜んでくれるだけではなく贈った人も気の利くデキる人だと思われます。

では、プレゼント選びが下手な人は何がいけないのか?センスの良い選び方とは何なのか?一緒にエビデンスを元にセンスのあるプレゼント選び方について学んでいきましょう!

プレゼント選びの基準は「相手が欲しいもの+あなたらしいもの」

 これまでもプレゼントに対する研究は結構あり、2011年のFrancesca Ginoらの研究では、「プレゼントには何が良いのか」という事について調べてくれています。1)その結果は以下の通り。

  • プレゼントは相手の欲しいものが良い
  • あげる側はそう思ってないけど、もらう側が欲しいのはぶっちゃけお金

 びっくりするくらい身も蓋もない結果ですね。しかし、これは文脈によります。例えば彼氏彼女へのプレゼントに「はい、お金」ではさすがに問題が発生しそうですし、センスは感じません

センスのあるプレゼントはお金よりも強力

 財布の中の一万円をプレゼントするのは誰にでもできます。しかしそこには気持ちもセンスもなく、あくまで自分の財布から相手の財布に一万円が移動しただけにすぎません。しかし、同じ一万円を使ってセンスのあるプレゼントを贈ったらどうなるでしょう?それで相手が二万円分以上に喜んでくれたなら、トータルで一万円分の幸せが増えたことになります。

 これが「センスのあるプレゼント」です。これにはただお金を渡したりランキングから選んだりするだけではダメで、頭を使う必要があります。時にプレゼント選びが上手い人が「頭が良さそう」という印象を与えているのも自明でしょう。

 おまけに人に与える人は有能で信頼されやすいという研究もあり、効果的なギブはあなたにとってもメリットが大きいのです。上手なギブについて詳しく知りたい方は研究で学ぶギブアンドテイクのトリセツの記事も参照してください。

贈り物のコツは「贈り手」の特徴と一致するかどうか

 というわけでセンスの良いプレゼントを考察するために、2015年Gabriele Paolacciらの論文を参考にしましょう。この研究ではプレゼントにどんな特徴があると好まれるかを研究してくれています。結果は以下の通りです。

  • プレゼントとはあげる側がどういう人間であるかを表現するツールであり、この特徴と一致すると感謝されて好まれる2)

 つまり、あなたらしいプレゼントをあげると好まれるということです。

 私たちがプレゼントに求めるムードやらロマンといったフワッとした言葉を具体化すると、「あなたらしさ」という言葉になるのでしょう。

ちなみに論文のタイトルは「あなたをください」。ちょっとカッコいいわね

プレゼント選びが上手い人と下手な人の差とは

 以上の結果から、ただランキングから選んでもセンスが良いわけではない事がわかりました。ではどういう選び方をすればいいのかをプレゼント選びが上手い人・下手な人を比較しながら確認していきましょう。

プレゼント選びが下手な人は他の人の意見をそのまま採用してしまう

 よくあるのが異性にプレゼントするときに、異性の友達に「今までもらったプレゼントで嬉しかったものってある?」アドバイスを求める事があります。ですがこれは非常にマズい事をしているかもしれません。

 例えば、少し意識をしている女性にプレゼントを贈りたいと思っている男性が、女友達に相談し次のようなアドバイスをもらったとします。

「もらってうれしかったプレゼントか~。私は付き合う前の彼から花をもらったことがあってね。それがすごくうれしかったかな」

 確かにそれはそうなのでしょう。しかしこの意見をそのまま採用して「よし花を贈ろう!」というのはプレゼントが下手な人の典型例です。理由は3つあります

 まず、プレゼントを贈る相手は本当に花が好きですか?好きな人ならば良いのですが、「女性にはとりあえず花を渡しておけばいいだろう、困ったら花に逃げよう!」みたいに思われますし、もらう側は結構わかります。無難なはずのプレゼントがスベったりするのはこのせいです。

 次に、その女性との関係性はどうでしょうか。女友達は彼氏と付き合う直前の時にもらったのだとしたら、まだデートもしていない関係性で花をあげるのとは文脈が違いすぎて参考にするのは危険でしょう。

 最後に、あなたのキャラに合わないようなプレゼントは刺さりにくいということです。特にロマンチストでもなく、花を渡すなんて考えられないようなキャラの人から急に花をもらったらどう思うでしょう?「えっ、なにそれ。どうしたの?」となりますよね。他の誰かが噛んでて「誰かの入れ知恵で、自分でちゃんと考えてくれてないのかな」とか思うかもしれません。

 以上のようにプレゼント選びが下手な人は、先ほど紹介した論文に書かれたプレゼントのコツを外しまくっている事がわかると思います。

センスがあるプレゼントができる人は、贈り物を選んだ理由を話せる

 だかといって、プレゼントに花がダメだというわけではありません。普段から気の利くキャラクターの人が花を渡したならば、選んだ理由に説得力が出てくるはずです。

 例えば、同じ花を渡すにしても下記のように言われたら、もらった時どう思うでしょうか。

「夏に一緒に行った遊園地を覚えてる?その写真を見てたら色々思い出してさ。その時花壇に咲いていたのと同じ花を見つけたからプレゼントしたいと思ったんだ。覚えてくれていると嬉しいのだけど」

 このような理由が伝われば「とりあえず花!」と比べて受け取り手のテンションは全然違ってきます。つまり、プレゼントを渡す時も根拠と説得力が必要なのです。

プレゼントの選び方実例

 プレゼントのコツをまとめると、「相手が欲しい・興味があるものの範囲で、最後のひとつまみにあなたらしさを加える」という事になります。

例1:気になる相手へのプレゼント

 具体例としては、いつも仕事を手伝ってくれる気になる同僚の誕生日に、感謝の気持ちと仲良くなるきっかけに何か贈り物をしたいとします。

 同僚は仕事がデキるタイプで、文房具店を見たりする事が好きという事を知っていたならば、プレゼントの方向性は文房具で決まりでしょう。ブランドのボールペンを渡せば刺さりそうですが、ここでひとつまみあなたらしさを加えましょう。そして「何がいいのかすごく悩んだのだけれど、私はあなたにはこの色が一番素敵だと思ってとプレゼントされたらどうでしょうか。

 自分の好みを覚えてくれていた上に、自分はこれが似合うと思うというチョイスにあなたらしさを感じ、喜んでもらえるでしょう。

例2:好みがわからない間柄でのプレゼント

 相手の好みがあまりわからない間柄でも大丈夫です。その時は相手の状況を想像すればよいのです。

 例えばあなたがコーヒーが好きだとしましょう。転職するチームメンバーにプレゼントをしたいのですが、相手が何を好きかまではよくわからずプレゼントに悩んでるとします。

 そういう時はあなたの好きなコーヒーだって、気配り上手で配慮ができる「あなた」が伝わるプレゼントになり得ます。

 転職先では馴れるまで大変だと思うけど、無理せず息抜きをしてね!疲れてる時も暖かいものを飲めば、気分も切り替わると思うからさ。何かあったら連絡してよ!と伝えて渡されたらどうでしょう?心細さや緊張感もある相手にとって、すごく暖かい贈り物になります。

結論:プレゼント選びには検索をこうやって使え!

 プレゼントのランキングや検索を参考にする事自体は良いのです。大事なのは、リストから「選んだ理由を相手を説明できるか?」という観点で選ぶ事です。

 「あなたは本が好きだったよね。この図書カードで好きな本を買って、今度会った時また色んな話を聞かせてね!」「いい匂いのするハンドクリームだから、あなたのリフレッシュにもなるかなって。テクスチャーも軽くて評判いいんだよね」という理由が話せるプレゼント選びなら、早々スベる事はないでしょう。

 プレゼントにおいてアマゾンの上手な使い方は、相手が好きそうなものor相手の状況にふさわしいものをキーワードに入れて、ざっくり商品を眺めながらあなたらしい「選んだ理由を話せる商品を選ぶ」ことです。

 たとえば、「手を洗う仕事が多いだろうから、ハンドクリームがいいかな」と思ったら、「ハンドクリーム」でアマゾンの検索しましょう。

 次に検索結果の商品を眺めながら、「何種類か入っているハンドクリームなら、新しい環境でもストレス感じた時に気分転換するのに喜んでもらえるかも」「私は甘い匂いが好きだな、相手も嫌いじゃないはずだし」と考えたとしましょう。

 これらの基準をクリアする小さいハンドクリームが数種類入った商品を選ぶと、気遣いできる優しさと、甘い香りが好きというあなたらしさが加わった贈り物になります。この理由と一緒にプレゼントを渡せば、「センスのいいプレゼント」となるでしょう。まずは色々検索してみてください。

 最後に繰り返しますが、プレゼントをあげるのはあなたで、受け取るのは相手です。相談した第三者はあげるわけでも受け取るわけでもないので、あくまで参考程度に。ここは外さない方がいいでしょう。

 それから、できれば渡す時にプレゼントを選んだ理由を伝えてください。きっと喜んでもらえますよ。また、相手の状況や興味を推測するのが苦手な人は占い師の使うコールドリーディングというテクニックも参考にして相手の喜ぶプレゼントを推測してみてください。

プレゼントの主役は相手とあなた

引用・参考文献

1)Gino, Francesca, and Francis J. Flynn. “Give them what they want: The benefits of explicitness in gift exchange.” Journal of Experimental Social Psychology 47.5 (2011): 915-922.
2)Paolacci, Gabriele, Laura M. Straeter, and Ilona E. De Hooge. “Give me your self: Gifts are liked more when they match the giver’s characteristics.” Journal of Consumer Psychology 25.3 (2015): 487-494.

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